鳥取トライアスロン協会

山陰海岸ジオパークライドに参加して


鳥取県トライアスロン協会 登録番号831−01012 ちょっと前までは頑張っていたトライアスリートからの報告です。

鳥取県東部から兵庫県北部そして京都府北部にかけての海岸線は日本列島がアジア大陸の一部だった時代から今日に至るまでの経過を確認できる貴重な地質遺産が数多く残されています。
そして今年10月にはその学術的な価値が世界に認められ世界ジオパークネットワークに登録されました。
地元ではこれを契機に変化に富んだ景観を地域振興に繋げていく活動を始めています。
そこでこの美しい海岸線を縫うように走る海岸道路をバイクで走り抜ける山陰海岸ジオパークライドが開催されることとなりました。といっても参加者はサポートを含めてたったの5名。来年の春に向けてコース下見を兼ねての試走でありました。

コースは鳥取砂丘から兵庫県城崎温泉までの約90kmを2日間かけて往復する全行180kmのコース。往路を終えたあとは温泉に入って一杯飲んむ甘い言葉に惹かれて特別参加することとなりました。
実は、私ここ10年間バイクに乗っていなくて、参加が決まってからショップで新品タイヤを購入しタンスからバイクジャージとパンツを掘り出し前夜は酒も控えてイベント当日を迎えました。

スタート地点となった鳥取砂丘でバイクをおろし準備体操。ビンディングきちんとはまるかなぁ?なんて考えながらスタート。絶対完走は無理だからサポートカーは必須。スタートして10キロは比較的平坦な田舎道が続いていたが、浦富海岸を抜けると突然壁みたいな上り坂が現れた。走り始めだけあって普通に登り切り連続する海岸道路のくねくね道の左側に広がる奇岩や日本海を眺めながらのサイクリングが続。





幸いこの日は、秋晴れの最高のコンディションでどこまでも走れそうな気がするくらい気持ちが良い。また他のメンバーから「10年バイクに乗っていないとは思えない走りですねぇ」なんておだてられるから益々ペダルが軽くなる。約2千万年前のゾウやサイ、シカなど動物の足跡が残っている岩盤や自然が数千万年かけて作り上げてきた神秘的な海岸を見学しながら城崎温泉を目指す。




途中、日本一周と書かれたのぼりを付けたランドナーに追いつく「どこから来たの?」「福井を出発して時計回りで日本一周してこれから帰るところです。」「そっか。それ凄いなぁ。俺たちは今、2周目に入ったところだよ。頑張れよ。」なんていい加減なことを言いながらしばらく併走する。

余部でトイレ休憩。ここは余部の鉄橋で有名なところだが鉄橋は老朽化によりコンクリートの鉄道橋に姿を変えていた。
橋の真下当たりに休憩所があるのだがそこの壁面にあった看板がイカしていた。
「三姉妹船長・・・」「えらいべっぴんさんだなぁ」「30年前の写真じゃないの」

なんとも意味深なおやじ心をくすぐるナイスな看板でした。




こんな軽口をはきながら軽快なサイクリングは続く。
兵庫県に入ってからは殆ど平坦なところがなくカーブとアップダウンが延々と続く。おだてられて気持ちよく走っていたが、60キロを過ぎてからはやはりトレーニングなしの脚は次第に重くなってきた。
一緒に走ってくれたメンバーは、今年の皆生大会を快走した実力者達。ペースを私に合わせてくれてゆっくり走っていたが、その落としてくれていたペースにもついて行けなくなってきた。急な登りではバイクが止まりそう。
口は空きっぱなしでベロも出てはぁはぁ息が荒いから周りから見ればまるで犬が自転車漕いでいるみたいだう。
それでもバイクが自立しているのが不思議なくらいゆっくりとしたペースでフラフラ登っていけるのは昔取った杵柄なのだろう。他のメンバーに付き合わせるのは悪いので「先に行っていれ。」と伝える。しかし先行されてもトレーニングなしの体にはしっかり余分な肉がついているのと十数年前のバイクの重量は下りでは立派な戦力となる。一気に下りで追いつきながら頑張る。
そんな気力だけのペダリングで城崎マリンワールド手前の最大の上り坂を登り切り夕闇迫る中、目的地である城崎温泉に到着。

城崎温泉は秋の行楽シーズン真っ只中。温泉街の中央を流れる小川の両岸には浴衣姿の観光客がそぞろ歩きを楽しんでいる。
それまで半べそかいて漕いでいたバイクも最後のプライドで余裕の表情で人並みの間を走り抜け宿へ到着する。きつい上り坂ではつらさを紛らわすように「ビールビール」と呪文のように唱えていた。どんなに辛くても風呂上がりのビールののどごしだけを楽しみに頑張ってきたわけで10年分の不摂生を乗り越えた達成感とともにどんな極上の味覚を楽しむことができるかワクワクして宴会場へ向かった。
浴衣姿でくつろいでみんなで「お疲れさーん!かんぱーい!」ゴックン冷えたビールを一口・・・
ビールの味は?
なんと旨くない!発泡酒?いやいや疲労がピークを超えるとあまりおいしくないのがよく分かった・・残念としかいいようのないなんとも情けないお味でした。
ここまで頑張ってきたのに・・と積み上げたすべての努力がガタガタ音を立てて崩れていく思いだった。

気を取り戻せたら翌日の帰路の様子もアップしたいと思います。あぁぁああ何とも残念。


鳥取トライアスロン協会
鳥取県米子市皆生3丁目18-3
Tel. 0859-32-8351